※もしも夢主が超人気ボーカルユニットのメンバーだったら……な設定。 レーザーがカラフルにステージを照らし出す。 三人の少女たちがゴスロリチックな衣装でリズムをとり、踊りを始めた。 「今夜のミュージックアワー、最後の曲は……今週末発売の新曲、 SURF(サーフ)で……Rose and Rose!」 司会者の言葉と同時に、少女たちが歌い出す。 センターを勤めるのは綺麗というより、可愛いという言葉が似合う少女。 は彼女をテレビごしにぼうっと見ていた。 彼女が自分のものだなんて……今でも信じられないくらいだ。 *** 「よっ、!昨日のミュージックアワー見たぜ!なかなかいい曲だなぁ。」 「生放送だったんだよね?いつ帰ってきたの?疲れたんじゃない?」 と一緒に登校してきた彼女……を見つけたとたん、 花村陽介と里中千枝はを質問攻めにする。 その横で、天城雪子が苦笑していた。 「とりあえず、お疲れ様。」 「ありがとう、雪子ちゃん。実は夜中帰ってきたから眠くて……。 なんとか終電に間に合ってよかった。」 の手を引っ張り、席へ行く。 実はこのカップル、相当ラブラブなわけで……。 は小さい頃から、歌姫として音楽業界で名をはせていた。 数年前、両親を事故で亡くし、親戚のいる稲羽市に引っ越してきたのだ。 そんな彼女は稲羽でペルソナに目覚め、ここでこうして、仲間たちと共に過ごしている。 引っ越した時、業界には純粋に音楽だけを目的に活動するという条件で復活を果たしているのだ。 「音楽のみの活動だけど、やっぱり忙しいね。 他の二人は都会にいて、テレビにもよく出てるよね。」 「みーぽとなっちんでしょ?この前雑誌でも見たよ!!」 浦海美穂と、内田夏美。 どちらもSURFのメンバーだ。 二人はと一緒に芸能活動がしたいみたいだが、は断り続けている。 彼女にとっては、芸能活動をするより、仲間と共にいたいから。 何より……ともっと一緒にいたいから。 「も大変だなぁ。人気ボーカルユニットのナンバーワンが彼女でさ。」 「俺としては誇らしいよ。可愛いし、歌はうまいし。 心配にはなるけど……には毎晩、俺の印をつけてるし大丈夫だ。」 にっこり笑ってが言う。 一瞬時間が止まり、みんなの顔がだんだん真っ赤になっていく。 「お……おいっ!!っ、それってお前……。その、マジで毎晩してんのか?」 「ちょ、花村何聞いてんのよっ!!」 千枝が陽介の頭をおもいっきり叩いた。 「あぁ。別に変なことじゃないだろ?俺達カップルだし。」 は真っ赤になって下を向いてるを抱き寄せた。 それが本当に自然な仕草だった。 この男は、一体に何回この仕草をしたのだろうかと、雪子は思う。 「変じゃないけど……毎晩とか……。」 苦笑ぎみの千枝。 だからは体力があるんじゃないのだろうかと、今更ながらに考えた。 「ももも……もういいでしょ!!この話題はっ!!みんな忘れて!!」 赤い顔のまま、三人に手を振る。 は後ろからの首に腕を回し、怪しく笑った。 「忘れていいとかそんなこと言うのか?お仕置き……だな。」 そのままの耳に噛み付く。 は恥ずかしさで固まり、他3人は「きゃー!」と悲鳴を上げた。 どうやらこの男、は俺のものだと見せ付けたいようで……。 いくらラブラブといえでも、リーダーの愛情はちょっと過剰だぜ! そう思う陽介であった。 |