彼女を欲しいと思うことは、男の性(さが)なので仕方ない。
彼女を独占して、自分だけのものにしたいと思うのも仕方ない。
だけど自分には、人よりも強い独占欲がある。
それは彼女にとって、迷惑なことなのか?
行為の途中で考えて、スザクはぴたりと手を止めた。

「スザク…………?」

彼の下では白い肌をさらしたままのが不思議そうに見つめていた。
頬はほんのり赤みを増して、涙をためた瞳で彼を見上げている。

(ああ、そんなふうに見つめられると、僕は止まらなくなっちゃうよ。)

スザクはにっこり笑いかけ、
「なんでもない」と呟いたあと再びの胸に手をかけた。
ゆるゆると小ぶりの胸を揉むと、「あっ」とが声を上げ始める。
それがスザクにとって嬉しかった。
自分の手で感じてくれているんだと、
そう思うだけで彼女を独占できているという感覚に陥る。
自分の下であえいでいるのは、他でもない、スザクが愛した人………。

「スザ………んっ………!!!」

尖った部分をつまんで転がすと、は先ほどとは違う声を上げた。
そのまま彼は手をずらし、下半身をなであげる。
の大切なところ。二人がつながる部分。

「っ…………だめっ!!!そこは、だ、めっ!!!」

、ダメとか言ってるけどホントは嬉しいんでしょ?
だってこんなに濡れてるよ?下着だってぐしょぐしょ。
大丈夫。僕が今からを気持ちよくさせてあげるから。だって、欲しいんでしょ?」

わざと耳元で囁くと、彼女は顔を真赤にさせ、ブンブンと首を振った。
スザクは否定する彼女を無視して下着を剥ぎ取る。
彼だってわかっているのだ。本当にイヤだったら抵抗すればいい。
だけど彼女は抵抗しない。
さっきだって「が欲しい」と呟いたら、顔を真っ赤にさせながら「いいよ。」と言った。

「スザ………ク、やっぱりは、恥ずかし………」

「恥ずかしい?だけどを見てるのは僕だけだよ?
大丈夫だから。ね?痛くしないし、がイヤだったらやめるよ?」

優しく頭をなでると、は軽く目を閉じ、
「恥ずかしいけどスザクだったら………いいよ。」と早口で囁いた。
そのあとにっこり笑って、「ちょっと怖いけどね。」なんて言って舌を出すものだから、
スザクはすぐにその舌を自分のと絡める。

「んっ…………んんっ……」

ぴちゃぴちゃと暗い部屋の中に音が響く。
愛してる。こんなにも………強く。

舌を絡めさせながら、スザクはとつながる箇所に指を這わせ、激しく出し入れを繰り返す。
そのたびに彼女は甘く高い声をあげ、体をしならせた。
時々激しい呼吸をして、潤んだ瞳でスザクを見つめる。
その瞳が何度もスザクの理性を焼ききってしまいそうだった。

「あっ………ぁ………スザ………いやぁっ!!!」

ある一点を指でこすった時、のそこは彼の指を強くしめつけた。
見つけたと、スザクはにっこり笑いそこを重点的に攻めていく。
は高い声をあげ、何度も何度もスザクの名前を連呼する。
愛していると。スザクが欲しいのだと。

「い………あぁっ!!!わたっ……しっ……イ、く……」

やっとの思いで彼女がそういうと、スザクは増やした指を全て抜き去り、
己の欲望をあてがった。
今までの刺激がなくなったことを不思議に思ったは、ゆっくりと彼に視線を這わす。
スザクは今までより一番優しい微笑みを浮かべ、ちゅっとのおでこにキスをする。
そしてそのまま…………

「あああああああああっ!!!!いたぁっ!!!あっあっんっあっ………!!!」

「きつぅっ…………!!!」

スザクは彼女の中に挿入する。
初めて経験する痛みに、は意識を飛ばしそうになった。
それでもスザクを感じたいからと、懸命に彼にしがみついて意識を飛ばさないようにする。
スザクも顔をゆがめて熱く狭いの中に押し入った。

己のものが全て彼女の中に入ると、一呼吸置いてからスザクが律動を開始する。
何度も彼女の体を揺さぶり、そしてギリギリまで引き抜いては奥深くをつくという行為を繰り返した。
最初は痛がっていたもすぐに快楽に目覚め、下腹部にくる圧迫感にあえいだ。
内臓が苦しい………。
そう呟いたら、スザクがすごく嬉しがった。そして彼女に対して言う。

っ、好きだっ………!!!」

「ぁっ、あっ、スザクっ……私も……んぁっ…愛してるっ……!!!」

グチュグチュと音を響かせて、とつながる彼は腰の動きを早める。

今彼女を支配しているのは誰?

独占してるのは誰?

それは俺だ………………。

スザクは頬を緩めた。
そして二人は呼吸もままならない状態でお互いの愛を確かめ合い、同時に絶頂を迎えた。

はスザクに抱きついたまま意識を失う。
ずるりと彼は彼女の中から己を引き抜いた。
これでもかというほど、白くぬらぬらした液が彼女から溢れてくる。
これがスザクの欲望。

「僕、もう君なしじゃ生きていけないや…………。」

スザクはに優しいキスを沢山送り、彼女の体を自分の腕で包みこんだ。














愛する二人は寄り添うように。