俺は悪か?俺は影か?

自分に問うて、そして答えは出ないまま。
悪かもしれない。たくさんの人を殺した。
影かもしれない。黒い服に身を包み、闇に溶け込んだ。

俺はゼロで、反逆者で、人殺し。

だけどそんな俺でも、光となる存在がいた。
。彼女を愛した。

毎日二人で愛を囁きあい、夜の甘い時間を過ごして、鳥がお互いを支えるかのように静かに眠る。
にキスを送って、甘い言葉を囁けば、彼女は嬉しそうに微笑んだ。

けれども、は光の世界に属す、光の眷属だった。
俺と対峙するもの。
だからだろうか、俺はたまに闇が怖くなる。
自分を溶かし込んでいる、この闇が……………。
俺は…………影の住人かもしれないから。いや、影の住人だろう。

「ゼロ、ここで決着をつける!!!」

ランスロットが俺の乗ったナイトメアの懐に飛び込んでくる。
ああ、何て眩しい白。
俺の友人、枢木スザクも彼女と同じ、光の人間で…………。

「白兜!!!毎度毎度邪魔してくれてっ!!!」

俺はギリギリでランスロットの攻撃をかわす。
その時、目に飛び込んでくるものがあった。
スザクと同じ、白い機体。あれは彼女の…………。

「ゼロっ、許さない!!!罪のない人の命を奪って、何が正義よ!!!
あなたに正義を語る資格なんて何もないっ!!!」

いつもと違う声色。
あまえた声で、『ルルーシュ。』と名前を呼ぶ彼女は、今や声を荒げ俺を否定する。

もしお前がゼロの正体を知ったのなら、お前は俺を殺すことができるだろうか?
俺はお前に殺されるのだったら、喜んで死のう。
どうせ死ぬのなら、愛した彼女に殺されたい。
本当はもう、終わらせたいんだ。
復讐という憎しみの連鎖、反逆という自分の罪。
さぁ、戦おう。早く俺を殺してくれ。
お前の光で、俺を浄化してくれ……………。

「黒の騎士団よ、ここでブリタニア軍を全力で迎え撃つ。」

「ブリタニア全軍に告ぐ!!!何としてでも黒の騎士団をつぶすのだっ!!!」

世界の終わりに、善と悪、光と暗黒がぶつかりあう。

この場所で、俺はお前を愛し続けたんだ。

その瞬間だけ、俺は光になれたんだ。








Armageddon ―アルマゲドン―

世界の終わりに「光」と「暗黒」、「善」と「悪」の軍勢が戦う場所。