今日も堂島は仕事で帰ってこない。
は菜々子を寝かしつけたあと、台所で食事の後片付けをしているの後姿を見る。
おもむろにソファーから立ち上がって、足音がしなよう、そっと歩いた。
は鼻歌なんかを歌いながら、台ふきを洗っていた。
は後ろから一気に彼女へと抱きついた。

「きゃっ!!!」

びくんと彼女が驚いて、後ろを振り返る。
ぎゅっとの腰に腕を回すと、彼女の肩に額を置いた。

「もう!!!びっくりするじゃないのっ。」

いきなりのことで、は顔を真っ赤にしながら抗議する。
ジャーッと水が流れっぱなしの音を立てる。
何も言わないを軽く睨みつつ、彼女は台ふき洗いを再開した。

………好きだ。」

「…………っ!!!」

いきなりの言葉で、はさらに顔を赤くする。
軽くをあしらってはいるが、内心ドギマギしているようで、は嬉しかった。
真っ赤になった彼女を見るのは嫌いじゃない。
にばれないよう、口の端を少しつり上げたあと、の耳に囁く。

「なぁ。今日、いいだろ?しばらくに触れてないから、今すごくお前に触れたい。」

「ばっ……馬鹿っ!!!ダメに決まってるでしょっ!!!」

は鋭い声でに言った。
耳まで真っ赤。可愛い………。はそう思うと、の柔らかな胸にそっと触れた。
大きく彼女の体が反応する。

「ちょっ………馬鹿!!!何してるのよっ!!!どこ触って……やんっ!!!」

「………はここに弱いな。それにしても、少し胸が大きくなったんじゃないか?」

悪魔のような顔をして、は静かな低音でそっと言う。
は体をよじりながらのイタズラから逃れようとする。

「やめ……やめてよっ!!!」

ついに怒ったは、に反撃を繰り出した。
手を水で濡らすと、後ろにいるにピッと飛ばす。
顔に水滴がかかって、は少し驚いての胸から手を離した。
濡れた顔を拭くを軽く睨みつけ、は言った。

「も、もう!!!何盛ってんのよ。明日も学校なのよ?
に触れたら私、明日学校に行けなくなるじゃないの。
わ、私だって………のぬくもりを………その、感じたいけど…………。」

ぷいっとから顔を背けて、再び台ふき洗いに没頭する。
顔を拭った彼は、今がなんて言った?などと考えていた。

、お前今なんて…………」

「な、なんでもないっ!!!早くお風呂に入ったらっ?」

怒った顔で彼女はを見らずに声を荒げた。
そんな彼女を見て、クスリとは小さく笑う。
まったく、本当に素直じゃない。自分の彼女は…………。
そう思うと、は去り際にの耳元で静かに囁いた。

「それじゃ、続きは明日な?」

悪魔の笑みを浮かべて、何もなかったかのように風呂場へと向かう。
今頃自分の後ろでが真っ赤になっているだろうと思うと少し面白かった。
明日は土曜日。明日ならも、許してくれるだろうと思うとは一人で笑うのだった。







DE・VI・L S・MI・LE








「最近が、なんだか悪魔みたいな笑みを浮かべるのよね。」

「あっれー?君って、今つけてるペルソナのアルカナ、悪魔じゃなかった?」

「…………あー、なるほど、そういうことか。」

「やっぱりペルソナのアルカナって、その人に反映されるのねぇ。」

「アルカナだけじゃないと思うよー?雪子。ね、って最近魅力あるじゃん!!!
ナルキッソスのせいかもね。もともと魅力あるのに、その魅力がさらに磨きかかってるもん!!!
あーあ、あたしもペルソナ交換できないかなー?」

(…………ナルキッソス。が最近妙に盛る理由が少し分かった気がする。)








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→お粗末っ!!!(苦笑)