私のように生きたい?

どうして彼女がそんなこと言うんだろうって、私は本気で考えた。
私はが考えてるほど素敵な子じゃないのよ?
そう言っても、彼女には届かない。だって私は、もう死んでいるんだから………。

私はずっとの側にいた。
愛した枢木スザクの側じゃなくて、私はずっと、の側にいたのよ?
だってあなたが心配だったから。
あなたは私に謝りつづけた。
エリア11での行政特区・日本の設立の時、私に協力しなかったから。
私が死んだのは、自分のせいだと責め続けた。
違う!!!それは違うっ!!!
私だって、ちゃんと分かっていなかったの………。
が私の誘いを断ってから、私は気付いた。
そぅ、は………たくさん傷ついていた。私と違い、には日本に対して嫌な記憶ばかり。

ルルーシュとナナリーを失ったこと。

日本を自分の手で潰したこと。

戦争するということの意味を、10歳にしてすでに知っていた
私のほうこそ謝らなければならないのに。

眠ったのすぐ横で、いつも私はに謝る。

『ごめんね、ごめんね。私を許してね。』

知らず知らず流れる彼女の涙を、私は毎晩すくってあげた。
ずっとのそばにいるから。そう私は誓った。







私はいつも、彼女を見てきた。死んでから、片時も離れたことはない。
私、の守護霊なのかなって、一人で笑うこともあった。

目の前のスザクが、に恋してることも知っている。
そうね、きっとスザクなら、を幸せにしてくれるはずだから。
私はの耳元でいつも小さく囁くの。

『ねぇ。スザクがあなたを見て、真っ赤になっているわ。
彼、あなたのことが好きなのよ?』

早く気付いてあげて?

でも彼女は鈍感だから、スザクは今でも私のことを愛してるって思ってる。
は一体、どこまで鈍感なのかしら?
私はスザクがかわいそうになってくる。恋って本当に大変ね。








ある時は、私に話しかけてくれた。
ナナリーが私の意思をついでくれたこと。自身も、ナナリーに協力すること。
あなたは笑って『おかしいね』って言ったけど、全然おかしくなんかないよ?
そしてあなたは、私に向かって言った。『許してね』って。
私は何を?ってとぼけてみせたけど、あまりにもが真剣だったから、
の頬に手を添えて、『許すよ』って答える。
ちゃんと、伝わったかな?うまく伝わってるといいんだけど。
は弱い皇女なんかじゃない。いつだって、強かった。私はそんなが大好きで………。
だからたくさん幸せになって欲しい。
私はずっと、あなたのそばにいるからね。あなたのそばで、あなたの幸せを願ってる。

ほら、スザクが来たわ。ねぇ、スザクなら信頼できるよ?私に遠慮しないで。
あなたがスザクを好きになってくれたら、私はそれだけで安心できるから。
だから、早く彼の恋に気付いてあげてね?

私はそっと、の背後から彼女の顔を覗きこんだ。








#29.5 私から大好きなあなたへ

(ユーフェミアより)