「やだっ!!!やだったらやだ!!!」

ぷくっと頬を膨らませた彼女が、ぷいっと顔を背ける。
その行為にアーニャとユーフェミアは困った顔をした。
二人の手にはそれぞれ、アッシュフォード学園の女子生徒の制服と、
ネコ耳がセットになったメイド服が握られていた。

「こんなに頼んでるのに、どうしてもだめなの?」

じわりと涙をにじませて、ユーフェミアがを見た。
彼女の瞳がうるうるしている。まるで捨てられた子犬のようで、は「う………」と思う。
その表情は反則なんじゃないのか?と彼女は思った。
今度はアーニャがすごく残念そうな顔をして言う。

「写真………私の趣味なのに。は楽しみを奪うの?」

眉を下げて小さく呟き、がっくり肩を落とす。
は自分が悪者になった感じがして、瞳を細めた。
そう、ただ着ればいいだけの話。
だけど………彼女にとってそれらの服装は恥ずかしすぎる。
アッシュフォード学園の制服は、学園の制服と違ってスカートが短すぎる。
さらにアーニャが握っている服。
どこから入手したのか分からないけれど、ネコ耳なんて!!!とは考えただけで顔が赤くなる。
じろりと視線を向ければ、じぃーっとこちらを無言でみる少女たち。

「だめ………?」

二人でそう呟いては、小首をかしげるものだから、はますますいたたまれなくなった。
うん、ただ着ればいい。着て、すぐ脱いでしまえばいいのだ。
でもなかなか決心がつかない。
着るかどうか決めかねている彼女の態度を見て、ユーフェミアはあと一押しだと思った。
に分からないようにアーニャと頷きあい、言葉を発する。

「ねえ、コーネリアお姉様が写真を楽しみにしていらっしゃるの。」

「シュナイゼル様も楽しみにしてるよ?の可愛い写真がみたいんだって。」

「え…………えぇ〜!?」

明らかにが動揺を見せる。
シュナイゼルもコーネリアも、にとっては尊敬する人物。
アーニャはもう一人の人物の名前も口にしてみた。

「ナイト・オブ・ワンも、写真見たいって言ってたよ?」

「そっ………そんな!!!」

にとって、この言葉は凄く大きかった。
ビスマルクはにとって父親的存在で、大好きな人物。
唸り声を上げてる彼女をよそに、アーニャはこっそりちろりと舌を出す。
ビスマルクが写真を見たがってるなんて嘘だけど………。
でもあとで写真を渡せば結果オーライだし……とアーニャはこっそり考える。
そこで、の凛とした声が上がった。

「わ、分かったわよ!!!き………着るだけだからね!!!
着たらすぐ脱ぐよ?それでもいいっ?」

その言葉にユーフェミアもアーニャも喜んで何回も頷いた。
早速ユーフェミアが無理矢理アッシュフォードの制服を彼女に着せる。
が一人で着替えられるから!!!と叫んでも、彼女が開放されることはなかった。
あろうことか体のいたる部分を撫でられ触られ、挙句の果てには揉まれて、は悲鳴に近い声を上げる。

「ちょ………ユーフェミア様そんなとこ………い、いやぁぁぁぁぁーっ!!!」

、あなた少し痩せすぎです。でもここは柔らかいのね。」

「はな……はなして……くすぐったい!!!ア……アーニャちゃんまでっ!!!」

、今日は薄めの色なんだね。すごく可愛い……。」

「えっ!?ちょっと!!!こんな格好の写真はだめっ!!!だめだってば!!!アーニャちゃんそれ消してよ!!!
ひゃんっ!!!だからユーフェミア様っ、そこはだめって言ってる……ひゃあ!!!」

女性陣が部屋の中でこんなことを繰り広げてる時、部屋の外ではジノとスザクが固まってそれを聞いていた。
彼らは成長期真っ只中にある。
勝手に頭の中がいろいろな妄想で埋まっていく。

「スザク………これは盗み聞きに入るのか?」

「で、でも………僕たちこの部屋にある書類を取りに来たんだし。」

「っていうか、薄い色って今日何色なんだよ!!!」

「ジノ、そういうこと言うとに嫌われるよ?」

二人がそう話す時でも、の悲鳴とユーフェミア・アーニャによる攻撃は続いていた。






Change your clothes quickly.






オマケ↓

「コーネリアお姉様っ!!!今度に大人な下着を買ってあげましょうよ♪
お姉様はそういうの選ぶの得意ですよね!!!」

「ま………まぁな。でもいきなりどうしたんだ?ユフィ。」

「だって、ったら、いつも可愛らしいものばっかりなんですもの。
たまには大胆なものもいいかと思って。」

「可愛らしい?よ………よく知っているな、ユフィ。」

「ええ!!!だって私との仲ですものっ!!!
この前もアーニャと一緒に、とにゃんにゃんしたんですよ♪」

(にゃんにゃん?どっ……どういう仲だ!?しかし………羨ましいぞユフィ、アールストレイム!!!
私だって、とにゃんにゃんしたい。)

嬉しそうに話す妹に、ライバル的視線を向けた姉・コーネリアだった。




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ちょっとピンクで、アレな話。
女の子は学校の体育とかで、一度くらいあるのではないかと。え?ないって?(苦笑)
どうでもいいけど、ユーフェミアがミレイ会長のスキルを引き継いでる(笑)




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