*いろいろ捏造だよね………(笑) その優しい声と姿が現れたのは、ロロが宮殿のテラスでぼうっと庭を眺めていた時だった。 柔らかなドレスが風になびいて、射す光はまるで彼女をたたえているよう。 手には本が握られているから、きっと宮殿内にある図書室からの帰りなのだろう。 「ごきげんよう、ロロ。こんなところで何をしていたの?」 優しく微笑みかけてくれる彼女。 名前はという。ロロよりも一つ年上で、とても聡明な少女だった。 皇位継承権はとても低いが、ブリタニア皇帝が一番に可愛がっている娘。 そんな彼女はみんなに優しく、そしてとても美人だ。の母親である王妃クラエスもとても美人だった。 「いえ………特には……。」 ロロは恥ずかしさのあまり、小さく呟き彼女から目をそらした。 の後ろには彼女の幼馴染であり、騎士候補の枢木スザクが控えている。 ロロはこの枢木スザクが苦手であったし嫌いだった。 いつものすぐそばにいて、彼女を独り占めしている。 ロロがとしゃべる時だって、彼女のお茶会に招かれた時だって、ずっとずっと。 まるでロロとを監視しているようだった。 「そう………。それにしても、今日は一段と綺麗な空ね。」 は眩しそうに額に手をやって、眩しい日差しを見上げた。 細い指に目がいって、ドキリと心臓がなる。 ここから見る彼女の横顔が、とても美しかったから。まるで彫刻のようだった。 ずっと見ていたい。彼女のことを。 でもそんな淡い願いは叶われることがなくて………。 「、そろそろ部屋に戻らないとルルーシュに叱られるよ?」 の肩を抱いて、枢木スザクがそう言った。 「ええ、そうね。ルルーシュは怒ると怖いから。」と、苦笑を浮かべつつ彼女はスザクを見て言った。 ちらりとスザクがロロを見る。その眼差しは、どこか冷たかった。 まるで「に近づくな。」と牽制(けんせい)しているかのように。 負けじとロロも睨み返す。お互いの視線が静かにぶつかった。 そんな二人に気付かず、がロロに微笑む。 「それじゃあね、ロロ。騎士のお仕事がんばって。 あなたの実力ならきっと、今からでも私の選任騎士候補になれると思うわ。」 ふわりと笑うに、ロロは強く頷いて見せた。 枢木スザクになんか負けない。いつか君の場所を、僕のものにする。 彼は心の中で誓った。もう憧れを持つだけじゃない。自分の夢を叶えるために………。 |