*IC設定です。ごめんなさい……







僕の秘密。それはね………



「ハッピバースディ!!!ロロ〜っ!!!」

ポーンというガラナの蓋が飛ぶ音がする。
それと同時にたくさんの声や拍手がロロに浴びせられた。
人の輪の中心で、ロロが顔を赤らめて、「ありがとう」と言っている。
今日は10月25日。ロロの誕生日。これで16歳だった彼は、17歳となる。
リヴァルがロロの肩に絡みついた。

「ロロ〜、大人の階段を一段登っちまったなぁ!!!」

「おめでとうロロ!!!これ、私たちからのプレゼント!!!」

リヴァルの言葉に続いて、シャーリーが彼に紙袋を渡す。
目を丸くしているロロに、袋をあけることを促すシャーリー。ぎこちない手で彼は袋を開けた。

「うわぁ……。」

ロロは袋を開けて、驚きの声を上げる。中には洋服がたくさん入っていたのだ。

「みんなで選んだんだよ。気に入ってくれるといいんだけど……。」

側に立つスザクが笑った。その横でルルーシュが苦笑気味に呟く。

「まぁ……一つ、お偉い誰かさんの趣味で、変なものが混じってるがな。」

「変なものとは何よっ!!!いいでしょ!!!ロロに似合いそうなんだからっ!!!」

すぐにミレイがルルーシュに抗議する。周りのみんなは、それを笑って見ていた。
ロロも苦笑しながらミレイとルルーシュのやり取りを見ていたが、ふと、視線を部屋のすみに向ける。
そこには複雑そうな顔をしたライとが立っていて、じっとこちらを見ていた。
ロロの視線に気付いたライが、手に持っていたガラナのグラスを軽く上げる。
口が少しだけ動いた。

『おめでとう、ロロ。』

ロロは紙袋をぎゅっと握りしめた。











夕暮れの屋上。
三人の生徒が空を見上げている。ライととロロの3兄弟。
赤く染まった空を見上げながら、ライが口を開いた。

「なんか微妙だなぁ。ロロの誕生日なんて、2ヶ月も先なのにねぇー。」

「仕方ないわよ。ロロには今、偽りの姿が与えられてるんだから。」

風になびく髪を押さえながら、が言う。
そんな彼女にくっついてたロロは、さらににくっついた。

「ロロ……?」

「姉さんたち、今日生徒会室で複雑そうな顔してたね……。」

ぽつりと彼が呟いたので、は眉を下げて微笑むと、彼の頭に口づけをした。

「よく見てたわね、ロロ。そうね、ちょっと複雑だったの。今おめでとうって言うかどうか……。
言ってもいいんだろうけど……やっぱりあなたの生まれた日に言いたいから……。」

優しい手が、ロロの頭を撫でた。彼はの顔を見つめる。にっこりは笑っていた。
彼女の横からひょこっと顔を覗かせたライが、目を細めて付け加える。

「そうそう。プレゼントもケーキも、おめでとうって言葉も、ロロの生まれた日に用意してあげるよ。
ロロの本当の誕生日を知ってるのって言ったら、僕と
それからエリア7にいるおじさん・おばさんくらいだもんね。
よしロロ。誕生日、楽しみにしといてよ〜。僕がすごいプレゼント用意しとくからさ!!!」

パチンとライがウィンクした。ロロは嬉しくなって、少しだけ俯いて「うん。」と答えた。
10月25日。この日はロロの誕生日になっていて、
周りのみんなが祝ってくれたけど、ホントの誕生日は2ヶ月先。
それを知っているのは限られた、本当に親しい人たちだけ。
ロロの……秘密。

(今日祝ってもらえたのも嬉しかったけど、
やっぱりライ兄さんや姉さんに祝ってもらえる本当の誕生日のほうが好きかな。
……なんて、僕、贅沢だよね。)

ロロは二人の間に飛び込んで、にっこり笑って言った。

「兄さん、姉さん。僕誕生日に欲しいものがあるんだ!!!」

「そうなの?ロロの欲しいものって、なぁーに?」

「高いものだったら、勘弁だけどね。」

優しく笑う二人に、ロロは明るい声で告げる。

「兄さんと姉さんの時間だよ。
誕生日の日は、僕と一緒に出掛けてね!!!今日の分と合わせた、誕生日プレゼント!!!」

「コイツっ!!!ちゃっかりしてるんだからっ!!!」

すぐさまライが、笑顔でロロの頭を小突く。も「まぁ!!!」と声を上げた。
ロロは二人の腕に絡みつき、「いいでしょ?」とおねだりをする。
可愛い弟にねだられて、結局はライもも折れてしまう。
ロロは側にあった紙袋と、兄や姉の笑顔を見て、幸せだなと思った。
たとえ誕生日が2つあったとしても。一つは全く関係のない日でも。
祝ってもらえる日が、年に二回あったとしても、それくらい、バチは当たらないよね?神様。









僕には誕生日が2つある













オマケ↓

その夜、自分の部屋で紙袋の中身を出したロロは、一つの洋服を手にとって固まる。
すぐさま自分の部屋を飛び出して、ノックもせずにルルーシュの部屋を開けた。

「にっ……にっ……にににににーさんっ!!!」

「……だから、一つ変なのが混じってるって今日言っただろう?」

困惑するロロに向かって、ルルーシュは本を読みつつ声をかけた。
ロロはアッシュフォード学園の女子生徒服を握り締めたまま、顔を赤くしていた。

「変なのっていうかっ、なんでさんの制服なのっ!?
どうしたのこれっ!?なんで………なんで………」

(なんで姉さんの制服がっ!?)

その制服の裏地のところには、綺麗な字での名前が書かれていた。
彼の叫びにルルーシュも唖然として、手から本を落とす。
しばらく2人で固まっていたが、ルルーシュもロロも一斉に叫び声を上げた。

「かいちょおおおおおおおおーっ!!!」

「ミレイさああああああああんっ!!!」



*****

「え?私の制服?ミレイさんが新しいのをあげるから、今まで着ていたのを私にくれないかって……。
どうしたの?ルルーシュにロロまで……。さっきから顔がすごく怖いよ?」





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IC設定では、ロロの誕生日はルルーシュと一緒で12月だったりします(笑)
12月25日あたりがロロっぽい………なーんてね♪