とある放課後の生徒会室。 ルルーシュはミレイに押し付けられた書類整理の仕事をしていた。 今日はルルーシュ一人だけがこの部屋にいる。 リヴァルはバイトだし、ニーナは家の用事、シャーリーは大会前なので部活に行っている。 カレンは病欠とかいう理由だが、 本当は黒の騎士団のメンバーとして情報収集に行ってもらった。 スザクはさっきまでいたが、軍からの使いが来て、特派へと行ってしまった。 当の本人、ミレイ・アッシュフォードはニヤリと笑ってから、 「用事♪」などと言ってどこかへ消えた。 絶対仕事がしたくないからだと、ルルーシュの拳は怒りに震える。 「確かに最近こっちに顔出してなかったが………。」 トントンとルルーシュは呟きながら書類をそろえる。 ぼうっと窓から見える大きな夕日を見ていると、ふいにドアが開いた。 「ルルーシュ………?」 ナナリーに似た優しい声が背後からして、彼はすぐさま振り向く。 首をかしげてルルーシュの最愛の人、・が立っていた。 彼女は生徒会ではないので、この部屋に来ることはあまりない。 ただ訪れるとするなら、ルルーシュに引っ張られて………ということが多かった。 「?どうした?今日は早く帰るんじゃなかったのか?」 「うん、そうなんだけど、帰る前に担任の先生に捕まっちゃって、 この書類に会長の印鑑をもらってきてって言われたの。ミレイさんは?」 彼に書類を見せながらが問う。 ルルーシュは彼女から書類を受け取って目を通した。 「あぁ。」と納得したあと、「会長は今不在だから。」といい、 ルルーシュが代わりに印鑑をついた。 「ありがとうルルーシュ。それじゃ、私先生に書類渡してくるね。」 向日葵のような笑顔を彼に向けたあと、 はルルーシュの持つ書類を受け取ろうとする。 だけど、はそれができなかった。 ルルーシュが、ギュっとの腕を掴んだから。 「もう……行くのか?」 「え?」 不意にそういわれて、彼女は顔を困らせた。 「ルルーシュ?」と震える声で名前を呼べば、 目の前に立つのはいつもの優しいルルーシュでなく………。 「なぁ。見ての通り、この部屋には俺以外に誰もいないんだ。 …………男がいる部屋に女が一人で入ったらどうなるか、教えてやろうか?」 怪しくルルーシュが笑った。 すぐさま腕をぐいと引かれ、はルルーシュの胸へと飛び込む形になる。 怖かった。 いつもの優しいルルーシュじゃない。 そのまま彼女はソファに押し倒される。 こんな怖いルルーシュ、見たくない!!!……そう思い目を閉じたとき、 優しいルルーシュのキスが額に降ってきた。 「なぁーんてな。嘘に決まってるだろ? この世で一番愛してるやつに、そんな怖い思いはさせないさ。」 目を開くと、いつもの優しいルルーシュがを見下ろしていた。 瞳から涙がこぼれる。 かすれる声でルルーシュの名前を呼んだら、彼がニコリと笑った。 「ごめんな。すこしふざけすぎたな。 だけど………知ってほしかったんだ。俺が毎日、どんなに我慢してるかを。 ………部屋に鍵をかけるし、いいだろ?」 彼の言葉には、ためらいがちにも小さく頷いた。 ずっとずっと、ルルーシュは自分を傷つけないように我慢してくれていたんだ。 そう思うと自分がどんなに想われているのか分かって、はギュっと彼の服を掴む。 ルルーシュは「ありがとう。」と最愛の人に伝え、深く唇を奪う。 それは彼女にとって、初めての味で知らない味だった。 「、ずっとずっと愛すから。」 甘い吐息に混じって、ルルーシュの言葉が聞こえた。 |