誰がこんな世界を望んだだろう。

戦いにあけくれて、気付いてみれば愛する人を失って………。

僕があの時、気を失わなければ!!!
僕があの時、無理にでも引き止めていればは絶対死ななかったのに!!!

彼女を抱く腕が震えた。
かすかに開くの唇。もう呼吸は見られない。
動かない体、世界に別れを告げ閉じた瞼。

の声を聞くことは、もうできないんだと思うと、僕は全てが怖くなった。
この世界のどこにも、は生きていない。
胸がいっぱいになる。

どうして日本人の僕が生きてて、
ブリタニア人と日本人のハーフである彼女が死ななければならなかったのだろう。
どうして神様は、僕を生かしてを殺したのだろう。
神様、はあなたに捧げる歌をたくさんうたっていました。

なぜ彼女を殺したのですか?

は……………罪人ではありません!!!

そう叫んでも返事がかえってこないことは分かっている。
僕はそのまま、を優しく抱き上げて、ランスロットへと乗り込んだ。

見送るのなら、君が好きだった場所で。
君が僕に歌をうたってくれた場所で。
君と僕の思い出の場所で。

そこに行けば、きっと僕は笑ってを見送れるから。
笑ってお別れが言えるから。

世界が戦争にあけくれていて、僕も人をたくさん殺して………。
それでも僕は、この世界で生きていくと心に決めていた。
だって君さえここにいてくれれば、僕はどんなにも強くなれると思っていたから。

でももう、君はここにはいないんだね、僕の愛する…………。









ただ愛しくて、君さえいればそれでよかった。