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スザクの目の前には戸惑ったままの
彼女の正面にはニヤリと楽しそうに笑ったままのジノ。
カシャンとアーニャの携帯が音を立てる。彼女が写真を撮った証拠。
「もうっ!!!」とがアーニャに膨れっ面を向けたので、すかさずに注意した。

っ!!!試合を始めるんだから、よそ見しちゃだめだよ!!!」

「だってアーニャちゃんが!!!
その前に、なんで私がジノの相手をしなきゃいけないのよっ!?」

剣を構えたまま、が叫んだ。話は単純だった。
剣術の鍛練をしていたジノが、ただ単に、様子を見に来たに試合を申し込んだのである。
はいつもみたいに断ろうとする。しかし、それはできなくなった。
突然現れたシュナイゼルが、ジノとの試合を見たいと言い出したのだ。

「ヴァインベルグ卿、君には悪いが私の妹が勝つだろうね。」

ゆったりと、シュナイゼルは言った。
ジノがすかさず笑う。「やってみなきゃ分かりませんよ?」と。
が上に挙げた右手を、下に降り下ろして叫んだ。

「始めっ!!!」

「はぁぁぁぁぁぁーっ!!!」

の声と共に、ジノの激しい声が上がった。
同時に、キィーンと剣と剣のぶつかる音がする。

「もうっ!!!」

が怒った声を発し、ジノの剣を滑らした。
「おわっ!?」と彼が驚いた表情を見せながら、視界にをとらえる。
彼女はすぐにジノの背後に回ったが、とっさに後ろへと下がった。
ジノが回し蹴りの態勢をとったから。彼の攻撃は空振りに終わった。

「ほぉー………。」

シュナイゼルが、感嘆の声を吐き出し、は面白そうに二人を見ている。
ただ、スザクだけがを心配そうに見つめていた。

『ジノ………、に傷をつけたら僕が許さない。』

彼は嬉しそうに戦うジノを睨む。
彼が本気だと分かったは、すぐにジノへと飛びかかった。
ジノもの剣を巧みに受け止めていく。そのたびにあの、甲高い音が響き渡る。
彼の剣が空を切り、交わしたの長い髪を少し切った。赤く細い髪がはらはらと落ちる。
でもは気にしなかった。気にしていれば、負けてしまうから。
しばらくして、二人はつばぜり合いとなった。
ギリギリと互いの剣が音を発する。ジノはニヤリと笑ってに尋ねる。

、お前、本気じゃないな。」

「あら。だって私が本気を出したら、ジノに怪我をさせるかもしれないもの。」

「よく言う………よっ!!!」

ジノは笑ったままを力いっぱい押し、そして隙をついて彼女の剣を払った。
剣は空高く、宙を舞う。光を受けて、シルバーの部分はキラキラと輝いた。
「あっ………!!!」というみんなの声が重なり合う。
その瞬間、みんなジノの勝ちだと思った。だってにはもう、武器がないから。
ただ、だけは違った。

「ジノ、気を抜かないほうがいいよ?」

「は?」

ジノが不思議そうな顔をしたのと同時に、は走り出した。
まさかっ!?彼がそう思ったときにはすでに遅く、はジノを踏み台にし、宙を舞っている剣を手にした。
ストンと綺麗に着地をして、すぐに剣の切っ先をジノに向けた。
彼も瞬時に後ろを振り返ると、尖った部分を向ける。
の剣の切っ先がジノの喉元を向き、ジノの剣の切っ先がの喉元に向く。
そのまましばらく、お互いを睨みつける。空気が止まった感覚。
しばらくして、シュナイゼルが2、3回手をたたいて拍手を送った。
それが終了の合図。二人はお互いに剣をおさめる。

「まさか俺を踏み台にするなんて。最悪だな、。」

に踏まれた部分の汚れを払うようにしてジノが言う。
彼女は呆れて言った。

「だから私はいやだって言ったのよ。もう満足でしょう?お兄様。」

くるりと振り返り、やんわりとした微笑を浮かべる兄を見る。
シュナイゼルは「見事だったよ。」と呟いた。
そして、今度はこう提案する。

「私はの勝負も見たいんだけどね。
、君はいつもと剣の勝負をしているんだろう?
だったら、ここでやってもいいんじゃないかな?ねぇ、…………?」

「おっ…………お兄様っ!!!!」

彼女はシュナイゼルに怒った声をあげ、睨みつけた。
もちろん、彼女の睨みなんて可愛いものだけだったが。
は苦笑してため息をつくと、自分の腰に差した鞘から剣を引き抜いた。
っ!?」とは驚きの声を上げるが、彼の構えを見て、渋々剣を抜く。

彼の剣の構えは、エリア7だけのもの。島国ゆえ、独自の文化をもつエリア7。
は、相手に試合を申し込む時の剣の構えをしていた。
エリア7においてのこの構えは、絶対に回避できないルールとなっている。
だからこの構えは、本当の真剣勝負のときにしか使われない。
も剣を構えた。エリア7―――――アルビオン王族に代々伝わる剣の構え。
にこりとは笑う。

「そうくると思った。」

「卑怯よ!!!
そういう構えされたら、回避できないっていうの、知ってるでしょ!!!」

「だってこうしないと、は受けてくれないじゃない?」

エリア7の文化を知らないアーニャ・ジノ・スザクには、会話の意味が分からなかった。
ただ唯一、エリア7の文化を知っているシュナイゼルは、クスリと笑う。
そんなみんなには気付かず、二人は口論を続けていた。

の馬鹿っ!!!もう口きいてあげないんだからっ!!!」

「それは無理でしょ
寂しいって言って、結局君から口をきいてくるくせに。」

「寂しいなんて、そ………そんなことないわ!!!私にはロロがいるもん!!!」

「でもロロに、『兄さんと仲直りしたほうがいいんじゃない?』って言われて、
結局君から謝ってくる。いつもそうだよ?」

「ち、違うもんっ!!!もういい!!!なんかだいっきらい!!!」

「そういうの、僕に勝ってから言いなよっ!!!」

はそう叫んで、彼女へと走り出した。









たまには……な訓練









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すいません、ただバトル的なものが書いてみたかっただけ。
VS も書いてみたいな!!!続き続き〜♪